■1月1日
正月の一日は日のはじめ月の始めとしのはじめ春の始め・此れをもてなす人は月の西より東をさしてみつがごとく・日の東より西へわたりてあきらかなるがごとく・とくもまさり人にもあいせられ候なり
十字御書(1491ページ)
■1月2日
文字は是一切衆生の心法の顕れたる質なりされば人のかける物を以て其の人の心根を知って相()する事あり、凡そ心と色法とは不二の法にて有る間かきたる物を以て其の人の貧福()をも相するなり、然れば文字は是れ一切衆生の色心不二の質なり
諸宗問答抄(380ページ)
■1月3日
一生はゆめ()の上・明日()をごぜず・いかなる乞食には・なるとも法華経にきずをつけ給うべからず
四条金吾殿御返事(1163ページ)
■1月4日
御みやづかい()を法華経とをぼしめせ、「一切世間の冶生産業は皆実相と相違背()せず」とは此れなり
檀越某御返事(1295ページ)
■1月5日
一切衆生・南無妙法蓮華経と唱うるより外の遊楽()なきなり
四条金吾殿御返事(1143ページ)
■1月6日
仁王経に云く――大火国を焼き万姓焼尽()せん或は鬼火・竜火・天火・山神火・人火・樹木火・賊()火あらん是くの如く変怪()するを三の難と為すなり。
立正安国論(19ページ)
■1月7日
「法に依つて人に依らざれ義に依つて語に依らざれ智に依つて識に依らざれ了義経に依つて不了義経に依らざれ」
守護国家論(44ページ)
■1月8日
なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし、「緒余怨敵()・皆悉摧滅()」の金言むなしかるべからず、兵法剣形の大事も此の妙法より出でたり、ふかく信心をとり給え、あえて臆病にては叶うべからず候
四条金吾殿御返事(1192ページ)
■1月9日
正法は一字・一句なれども時機に叶いぬれば必ず得道な()るべし、千経・万経を習学すれども時機に相違すれば叶う可らず
佐渡御書(957ページ)
■1月10日
夫れ仏道に入る根本は信をもて本とす
法華経題目抄(940ページ)
■1月11日
蔵 ()の財よりも身の財すぐれたり身の財より心の財第一なり、此の御文を御覧あらんよりは心の財をつませ給うべし
崇峻天皇御書(1173ページ)
■1月12日
たとひさとりなけれども信心あらん者は鈍根も正見の者なりたとひさとりあるとも信心なき者は誹謗闡提()の者なり
法華経題目抄(940ページ)
■1月13日
設ひ・いかなる・
わづら ()はしき事ありとも夢になして只法華経の事のみ
さはぐら()せ給うべし
兄弟抄(1088ページ)
■1月14日
十界互具之を立つるは石中の火・木中の花信じ難けれども縁に値うて出生すれば之を信ず人界所具の仏界は水中の火・火中の水最も甚だ信じ難し
観心本尊抄(242ページ)
■1月15日
仏教の四恩とは一には父母の恩を報ぜよ・二には国主の恩を報ぜよ・三には一切衆生の恩を報ぜよ・四には三宝の恩を報ぜよ
上野殿御消息(1527ページ)
■1月16日
塚原の堂の大庭・山野に数百人――かずをしらず集りたり、――利剣をもて・うり()をきり大風の草をなび ()かすが如し、仏法のおろかなる・のみならず或は自語相違し或は経文をわすれて論と云ひ釈をわすれて論と云ふ――処を一一にせめたるに、念仏申すまじきよし誓状を立つる者もあり
種種御振舞御書(918ページ)
塚原問答 文永9年
■1月17日
法門の事はさど()の国へながされ候いし已前の法門は・ただ仏の爾前 ()の経とをぼしめせ
三沢抄(1489ページ)
■1月18日
仏眼をかつて時機をかんがへよ仏日を用()て国土をてらせ
撰時抄(258ページ)
■1月19日
爾前()経にいかように成仏ありともと()け・権宗の人人・無量にい()ひくる()ふとも・ただほうろく()千につち()一つなるべし、法華折伏・破権門理とはこれなり
上野殿御返事(1556ページ)
■1月20日
正直捨方便 ()・不受余経 ()一偈 ()の経文を女のかがみ()をすてざるが如く・男 ()の刀をさすが如く、すこしもすつる心なく案じ給うべく候
妙一尼御前御返事(1255ページ)
■1月21日
現在の大難を思いつづくるにもなみだ、未来の成仏を思うて喜ぶにもなみだせきあへず、鳥と虫とはな()けどもなみだをちず、日蓮は・なかねども・なみだひまなし、此のなみだ世間の事には非ず但偏()に法華経の故なり、若しからば甘露のなみだとも云つべし
諸法実相抄(1361ページ)
■1月22日
天晴れぬれば地明かなり法華を識る者は世法を得可きか
観心本尊抄(254ページ)
■1月23日
一切経の功徳は先()に善根を作()して後()に仏とは成ると説くかかる故に不定なり、法華経と申すは手に取れば其の手やがて仏に成り・口に唱ふれば其の口即仏なり
上野尼御前御返事(1580ページ)
■1月24日
五百塵点劫()の当初()・凡夫にて御坐()せし時、我が身は地水火風空なりと知()しめして即座に悟を開き給いき、後に化他()の為に世世()・番番()に出世・成道()し在在()・処処()に八相作仏()し王宮に誕生し樹下に成道して始めて仏に成る様を衆生に見知()らしめ四十余年に方便教を儲()け衆生を誘引()す
三世諸仏総勘文教相廃立(568ページ)
■1月25日
人是を用ひず機に叶はずと云へども強いて法華経の五字の題名を聞かすべきなり、是ならでは仏になる道はなきが故なり
法華初心成仏抄(552ページ)
■1月26日
今末法に入りては教のみ有つて行証無く在世結縁()の者一人も無し権実の二機悉()く失()せり、此の時は濁悪たる当世の逆謗()の二人に初めて本門の肝心寿量品の南無妙法連華経を以て下種と為す
教行証御書(1276ページ)
■1月27日
一生補処()の菩薩は中夭()なし聖人は横死せず
神国王御書(1519ページ)
■1月28日
我等が如き名字の凡夫は仏説に依りてこそ成仏を期すべく候へ・人師の言語は無用なり
教行証御書(1278ページ)
■1月29日
土沙は多けれども米穀は希()なり木皮は充満すれども布絹は些少()なり、汝只正理を以て前()とすべし別して人の多きを以て本とすることなかれ
聖愚問答抄(493ページ)
■1月30日
所詮・一切の人にそし()られて候よりも女人の御ためには・いとをし()と・をもはしき男に・ふびんと・をもはれたらんにはすぎじ、一切の人はにくまばにくめ――法華経にだにも・ほめられたてまつりなば・なにか・くるしかるべき
四条金吾殿女房御返事(1134ページ)
■1月31日
生死の当体不生不滅とさとるより外に生死即涅槃はなきなり
四条金吾殿御返事(1117ページ)