■11月1日
日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外・未来までもながるべし、日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり、無間地獄の道をふさぎぬ
報恩抄(329ページ)
■11月2日
凡眼を以て定むべきにあらず浅智を以て明むべきにあらず、経文を以て眼とし仏智を以て先とせん
星名五郎太郎殿御返事(1206ページ)
■11月3日
我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ
開目抄(232ページ)
■11月4日
抑今の時・法華経を信ずる人あり・或は火のごとく信ずる人もあり・或は水のごとく信ずる人もあり、聴聞する時は・もへたつばかりをもへども・とをざかりぬれば・すつる心あり、水のごとくと申すは・いつも・たいせず信ずるなり
上野殿御返事(1544ページ)
■11月5日
曼荼羅と云うは天竺の名なり此には輪円具足とも功徳聚とも名くるなり、此の御本尊も只信心の二字にをさまれり以信得入とは是なり
日女御前御返事(1244ページ)
■11月6日
あいは葉のときよりも・なおそむればいよいよあをし、法華経はあいのごとし修行のふかきは・いよいよあをきがごとし
上野殿後家尼御返事(1505ページ)
■11月7日
今の世は濁世なり人の情もひがみゆがんで権教謗法のみ多ければ正法弘まりがたし此の時は読誦書写の修行も観念・工夫・修練も無用なり、只折伏を行じて力あらば威勢を以て謗法をくだき又法門を以ても邪義を責めよとなり
聖愚問答抄(495ページ)
■11月8日
やのはしる事は弓のちから・くものゆくことはりうのちから、をとこのしわざはめのちからなり、いまときどののこれへ御わたりある事尼ごぜんの御力なり、けぶりをみれば火をみる、あめをみればりうをみる、をとこをみればめをみる
富木尼御前御返事(975ページ)
■11月9日
所居の土は寂光本有の国土なり能居の教主は本有無作の三身なり所化以て同体なり
三大秘法禀承事(1021ページ)
■11月10日
なにと・なくとも一度の死は一定なり、いろばしあしくて人に・わらはれさせ給うなよ
兄弟抄(1084ページ)
■11月11日
不軽菩薩は杖木・瓦石と見えたれば杖の字にあひぬ刀の難はきかず、天台・妙楽・伝教等は刀杖不加と見えたれば是又かけたり、日蓮は刀杖の二字ともに・あひぬ、剰へ刀の難は前に申すがごとく東条の松原と竜口となり
上野殿御返事(1557ページ)
御難 房州小松原剱難 文永元年
■11月12日
日蓮は日本第一の法華経の行者なりすでに勧持品の二十行の偈の文は日本国の中には日蓮一人よめり
寂日坊御書(902ページ)
■11月13日
仏は真に尊くして物によらず、昔の得勝童子は沙の餅を仏に供養し奉りて阿育大王と生れて一閻浮提の主たりき、貧女の我がかしらをおろして油と成せしが須弥山を吹きぬきし風も此の火をけさず
王日女殿御返事(1263ページ)
■11月14日
女子は門をひらく・男子は家をつぐ・日本国を知つても子なくは誰にか・つがすべき、財を大千にみてても子なくば誰にかゆづるべき、されば外典三千余巻には子ある人を長者といふ、内典五千余巻には子なき人を貧人といふ
上野殿御返事(1566ページ)
■11月15日
大石寺は御堂と云ひ墓所と云ひ日目之を管領し修理を加へ勤行を致し広宣流布を待つべきなり
日興跡條條事(聖典513ページ)
日目上人御正当会 元弘3年
■11月16日
早く邪法邪教を捨て実法実教に帰す可し、若し御用い無くんば今生には国を亡し身を失い後生には必ず那落に堕す可し
長楽寺への御状(176ページ)
■11月17日
法の恩を申さば法は諸仏の師なり諸仏の貴き事は法に依る、されば仏恩を報ぜんと思はん人は法の恩を報ずべし
四恩抄(938ページ)
■11月18日
叡山守護の天照太神・正八幡宮・山王七社・国中守護の諸大善神法味を□わずして威光を失い国土を捨て去り了んぬ、悪鬼便りを得て災難を致し結句他国より此の国を破る可き先相勘うる所なり
安国論御勘由来(34ページ)
*□=歹+食
■11月19日
口に妙法をよび奉れば我が身の仏性もよばれて必ず顕れ給ふ、梵王・帝釈の仏性はよばれて我等を守り給ふ、仏菩提の仏性はよばれて悦び給ふ
法華初心成仏抄(557ページ)
■11月20日
父母はまうけやすし法華経はあひがたし、今度あひやすき父母のことばを・そむきて・あいがたき法華経のともにはなれずば我が身・仏になるのみならず・そむきしをやをもみちびきなん
兵衛志殿御返事(1092ページ)
■11月21日
親は十人の子をば養へども子は一人の母を養ふことなし、あたたかなる夫をば懐きて臥せどもこごへたる母の足をあたたむる女房はなし
刑部左衛門尉女房御返事(1399ページ)
■11月22日
総じて成仏往生のなりがたき者・四人あり第一には決定性の二乗・第二には一闡提人・第三には空心の者・第四には謗法の者なり、此等を法華経にをいて仏になさせ給ふ故に法華経を妙とは云うなり
法華経題目抄(944ページ)
■11月23日
水の如きの行者と申すは水は昼夜不退に流るるなりすこしもやむ事なし、其の如く法華経を信ずるを水の行者とは云うなり
御講聞書(841ページ)
■11月24日
人の地に依りて倒れたる者の返つて地をおさへて起が如し――信ぜん人は仏になるべし謗ぜん者は毒鼓の縁となつて仏になるべきなり、何にとしても仏の種は法華経より外になきなり
法華初心成仏抄(552ページ)
■11月25日
寿量品をしらざる諸宗の者は畜に同じ不知恩の者なり
開目抄(215ページ)
■11月26日
只須く汝仏にならんと思はば慢のはたほこをたをし忿りの杖をすてて偏に一乗に帰すべし、名聞名利は今生のかざり我慢偏執は後生のほだしなり、嗚呼恥づべし恥づべし恐るべし恐るべし
持妙法華問答抄(463ページ)
■11月27日
我並びに我が弟子・諸難ありとも疑う心なくば自然に仏界にいたるべし、天の加護なき事を疑はざれ現世の安穏ならざる事をなげかざれ、我が弟子に朝夕教えしかども・疑いを・をこして皆すてけんつたなき者のならひは約束せし事を・まことの時はわするるなるべし
開目抄(234ページ)
■11月28日
今末法に入りぬれば余経も法華経もせんなし、但南無妙法蓮華経なるべし―― 此の南無妙法蓮華経に余事をまじへば・ゆゆしきひが事なり
上野殿御返事(1546ページ)
■11月29日
叶ひ叶はぬは御信心により候べし全く日蓮がとがにあらず、水すめば月うつる風ふけば木ゆるぐごとく・みなの御心は水のごとし信のよはきはにごるがごとし、信心の・いさぎよきはすめるがごとし、木は道理のごとし・風のゆるがすは経文をよむがごとしと・をぼしめせ
日厳尼御前御返事(1262ページ)
■11月30日
若き夫妻等が夫は女を愛し女は夫をいとおしむ程に・父母のゆくへをしらず、父母は衣薄けれども我はねや熱し、父母は食せざれども我は腹に飽きぬ、此は第一の不孝なれども彼等は失ともしらず況や母に背く妻・父にさかへる夫・逆重罪にあらずや
一谷入道御書(1328ページ)