■12月1日

父母師匠の命日をとぶらふ人は・まれなり、定めて天の日月・地の地神いかり・いきどをり給いて不孝の者とおもはせ給うらん形は人にして畜生のごとし

四条金吾殿御返事(1112ページ)

■12月2日

今本門と迹門とは教主(すで)久始(くし)のかわりめ百歳のをきな()と一歳の幼子のごとし、弟子又水火なり土の先後いうばかりなし、而るを本迹を混合すれば水火を(わきま)えざる者なり

治病大小権実違目(996ページ)

■12月3日

一念三千の宝珠をば妙法五字の金剛不壊(ふえ)の袋に入れて末代貧窮(びんぐ)の我等衆生の為に残し置かせ給いしなり

太田左衛門尉御返事(1016ページ)

■12月4日

うれしきかな末法流布に生れあへる我等・かなしきかな今度此の経を信ぜざる人人、(そもそも)人界に生を受くるもの誰か無常を(まぬが)れん

新池御書(1439ページ)

■12月5日

末法に於て今日蓮等の(たぐ)いの修行は妙法蓮華経を修行するに難来るを以て安楽と意得可きなり

御義口伝(750ページ)

■12月6日

月は西より東に向へり月氏の仏法の東へ流るべき(そう)なり、日は東より出づ日本の仏法の月氏へかへるべき瑞相(ずいそう)なり、月は光あきらかならず在世は但八年なり、日は光明・月に(まさ)れり五五百歳の長き闇を照すべき瑞相なり

諌暁八幡抄(588ページ)

■12月7日

根ふかければ枝さかへ源遠ければ流長しと申して一切の経は根あさく流ちかく法華経は根ふかく源とをし

四条金吾殿御返事(1180ページ)

■12月8日

広宣流布の時は日本一同に南無妙法蓮華経と唱へん事は大地を(まと)とするなるべし、ともかくも法華経に名をたて身をまかせ給うべし

諸法実相抄(1360ページ)

■12月9日

在家の御身は但余念なく南無妙法蓮華経と御唱えありて僧をも供養し給うが肝心にて候なり、それも経文の如くならば随力演説も有るべきか

松野殿御返事(1386ページ)

■12月10日

人の心は水の器にしたがふが如く物の性は月の波に動くに似たり、故に汝当座は信ずといふとも後日は必ず(ひるが)へさん魔来り鬼来るとも騒乱(そうらん)する事なかれ

聖愚問答抄(500ページ)

■12月11日

あいかまへて御信心を出し此の御本尊に祈念せしめ給へ、何事か成就せざるべき「充満其願(じゅうまんごがん)如清涼池(にょしょうりょうち)現世安穏(げんぜあんのん)後生善処(ごしょうぜんしょ)」疑なからん

経王殿御返事(1124ページ)

■12月12日

「在在諸の仏土に常に師と倶に生ぜん」――返す返すも本従たがへずして成仏せしめ給うべし

曾谷殿御返事(1056ページ)

■12月13日

僧の恩をいはば仏宝法宝は必ず僧によりて住す、譬えば(たきぎ)なければ火無く大地無ければ草木生ずべからず、仏法有りといへども僧有りて習伝へずんば正法・像法・二千年過ぎて末法へも伝はるべからず

四恩抄(938ページ)

■12月14日

日蓮は閻浮(えんぶ)第一の法華経の行者なり此れをそしり此れをあだむ人を結構せん人は閻浮第一の大難にあうべし

撰時抄(266ページ)

■12月15日

在世の本門と末法の始は一同に純円(じゅんえん)なり但し彼は脱此れは種なり彼は一品二半此れは(ただ)し題目の五字なり

観心本尊抄(249ページ)

■12月16日

濁水は清けれども月やどらず・糞水は・きたなけれども・すめば影を・をしまず、濁水は智者・学匠の持戒なるが法華経に背くが如し、糞水は愚人の無戒なるが貧欲ふかく瞋恚(しんに)・強盛なれども法華経(ばか)りを無二無三に信じまいらせて有るが如し

四条金吾許御文(1197ページ)

■12月17日

仏説て云く「七宝を以て三千大千世界に布き(みつ)るとも手の小指を以て仏経に供養せんには()かず」

佐渡御書(956ページ)

■12月18日

所謂五品の初二三品には仏正しく戒定(かいじょう)の二法を制止して一向に慧の一分に限る慧又堪ざれば信を以て慧に代え・信の一字を詮と為す

四信五品抄(339ページ)

■12月19日

罰に四あり総罰・別罰・冥罰・顕罰なり、聖人をあだめるは総罰一国にわたる

日女御前御返事(1248ページ)

■12月20日

今は既に末法に入つて在世の結縁の者は漸漸に衰微して権実の二機皆悉く尽きぬ彼の不軽菩薩末世に出現して毒鼓撃()たしむるの時なり

曾谷入道殿許御書(1027ページ)

■12月21日

大海は広けれども死(がい)をとどめず大地は厚けれども不孝の者をば載せず、仏法には五逆をたすけ不孝をばすくう

撰時抄(273ページ)

■12月22日

昔は一切の男は父なり・女は母なり・然る間・生生世世に皆恩ある衆生なれば皆仏になれと思ふべきなり

上野殿御消息(1527ページ)

■12月23日

人身は受けがたし爪の上の土・人身は持ちがたし草の上の露・百二十まで()ちて名を・くた()して死せんよりは生きて一日なりとも名をあげん事こそ大切なれ

崇峻天皇御書(1173ページ)

■12月24日

黄河は千年に一度()むといへり・聖人は千年に一度出ずるなり、仏は無量(こう)に一度出世し給ふ、彼には値うといへども法華経には値いがたし、設ひ法華経に値い奉るとも末代の凡夫法華経の行者には値いがたし

日女御前御返事(1247ページ)

■12月25日

天台云く、「雨の(たけ)きを見て竜の大なるを知り花の盛なるを見て池の深きことを知る」

観心本尊抄(254ページ)

■12月26日

(たまたま)法華経を信ずる様なる人人も世間をはばかり人を恐れて多分は地獄へ堕つる事不便なり

新池殿御消息(1437ページ)

■12月27日

法華経を供養する人は十方の仏菩薩を供養する功徳と同じきなり、十方の諸仏は妙の一字より生じ給へる故なり

千日尼御前御返事(1316ページ)

■12月28日

畜生の心は弱きをおどし強きをおそる当世の学者等は畜生の如し智者の弱きをあなづり王法の邪をあそる諛臣(ゆしん)と申すは是なり

佐渡御書(957ページ)

■12月29日

今日蓮は()ぬる建長五年癸丑四月二十八日より今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし、只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ(ばか)りなり

諌暁八幡抄(585ページ)

■12月30日

汝今一念随喜の信を致す函蓋(かんがい)相応(そうおう)感応(かんのう)道交(どうこう)疑い無し

聖愚問答抄(500ページ)

■12月31日

苦をば苦とさとり楽をば楽とひらき苦楽ともに(おも)(あわ)せて南無妙法蓮華経とうちとな()()させ給へ、これあに自受法楽にあらずや

四条金吾殿御返事(1143ページ)