■6月1日
止観の第八に云く――「病の起る因縁を明すに六有り、一には四大順ならざる故に病む・二には飲食節ならざる故に病む・三には座禅調わざる故に病む・四には鬼便りを得る・五には魔の所為・六には業の起るが故に病む」
太田入道殿御返事(1009ページ)
■6月2日
五逆と謗法とを病に対すれば五逆は霍乱の如くして急に事を切る、謗法は白癩病の如し始は緩に後漸漸に大事なり
呵責謗法滅罪抄(1126ページ)
■6月3日
我身はいうにかひなき凡夫なれども御経を持ちまいらせ候分斉は当世には日本第一の大人なりと申すなり
撰時抄(289ページ)
■6月4日
伝教大師云く「正像稍過ぎ已て末法太はだ近きに有り法華一乗の機今正しく是其の時なり」
開目抄(226ページ)
■6月5日
仁王経に云く――「若し王の福尽きん時は一切の聖人皆為に捨て去らん、若し一切の聖人去らん時は七難必ず起らん」
立正安国論(19ページ)
■6月6日
末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は男女はきらふべからず、皆地涌の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり
諸法実相抄(1360ページ)
■6月7日
総じて余が弟子等は我が如く正理を修行し給え智者・学匠の身と為りても地獄に堕ちて何の詮か有るべき所詮時時念念に南無妙法蓮華経と唱うべし
十八円満抄(1367ページ)
■6月8日
日蓮世間の体を見て粗一切経を勘うるに御祈請験無く還つて凶悪を増長するの由道理文証之を得了んぬ、終に止むこと無く勘文一通を造り作して其の名を立正安国論と号す
安国論御勘由来(33ページ)
■6月9日
日蓮が弟子等は臆病にては叶うべからず、彼れ彼れの経経と法華経と勝劣・浅深・成仏・不成仏を判ぜん時・爾前迹門の釈尊なりとも物の数ならず何に況や其の以下の等覚の菩薩をや、まして権宗の者どもをや、法華経と申す大梵天王の位にて民とも下し鬼畜なんどと下しても其の過有らんやと意を得て宗論すべし
教行証御書(1282ページ)
■6月10日
彼の時鳥は春ををくり鶏鳥は暁をまつ畜生すらなをかくのごとし何に況や仏法を修行せんに時を糾ざるべしや
撰時抄(256ページ)
■6月11日
問うて云く如来滅後二千余年・竜樹・天親・天台・伝教の残したまえる所の秘法は何物ぞや、答えて云く本門の本尊と戒壇と題目の五字となり
法華取要抄(336ページ)
■6月12日
あわれなるかなや・なげかしきかなや日本国の人皆無間大城に堕ちむ事よ、悦しきかなや・楽かなや不肖の身として今度心田に仏種をうえたる
撰時抄(286ページ)
■6月13日
末代の衆生は法門を少分こころえ僧をあなづり法をいるかせにして悪道におつべしと説き給へり、法をこころえたる・しるしには僧を敬ひ法をあがめ仏を供養すべし
新池御書(1443ページ)
■6月14日
末代の悪人等の成仏・不成仏は罪の軽重に依らず但此経の信不信に任す可きのみ――法華経の心は当位即妙・不改本位と申して罪業を捨てずして仏道を成ずるなり
波木井三郎殿御返事(1373ページ)
■6月15日
父に於て三之れ有り法華経・釈尊・日蓮是なり、法華経は一切衆生の父なり此の父に背く故に流転の凡夫となる、釈尊は一切衆生の父なり此の仏に背く故に備さに諸道を輪ぐるなり、今日蓮は日本国の一切衆生の父なり
御義口伝(726ページ)
■6月16日
法華経は獅子王の如し一切の獣の頂きとす、法華経の獅子王を持つ女人は一切の地獄・餓鬼・畜生等の百獣に恐るる事なし
千日尼御前御返事(1316ページ)
■6月17日
須く心を一にして南妙法蓮華経と我も唱へ他をも勧んのみこそ今生人界の思出なるべき
持妙法華問答抄(467ページ)
■6月18日
一丈の堀を越えざる者二丈三丈の堀を越えてんややすき雨をだに・ふらし給はず況やかたき往生成仏をや
頼基陳状(1158ページ)
■6月19日
謗法の者に向つては一向に法華経を説くべし毒鼓の縁と成さんが為なり
教機時国抄(438ページ)
■6月20日
法華経を以て国土を祈らば上一人より下万民に至るまで悉く悦び栄へ給うべき鎮護国家の大白法なり
法華初心成仏抄(550ページ)
■6月21日
念仏も法華経も一なりと云はん人は石も玉も上臈も下臈も毒も薬も一なりと云わん者の如し
法華初心成仏抄(545ページ)
■6月22日
すりはむどくは三箇年に十四字を暗にせざりしかども仏に成りぬ提婆は六万蔵を暗にして無間に堕ちぬ・是れ偏に末代の今の世を表するなり
三三蔵祈雨事(1472ページ)
■6月23日
日蓮仏法をこころみるに道理と証文とにはすぎず、又道理証文よりも現証にはすぎず
三三蔵祈雨事(1468ページ)
■6月24日
現世に云をく言の違はざらんをもて後生の疑をなすべからず
佐渡御書(957ページ)
■6月25日
汝若し知恩の望あらば深く諌め強いて奏せよ非道にも主命に随はんと云う事・佞臣の至り不忠の極りなり
聖愚問答抄(493ページ)
■6月26日
我が面を見る事は明鏡によるべし・国土の盛衰を計ることは仏鏡にはすぐべからず
神国王御書(1521ページ)
■6月27日
過去久遠五百塵点のそのかみ唯我一人の教主釈尊とは我等衆生の事なり、法華経の一念三千の法門・常住此説法のふるまいなり
船守弥三郎許御書(1446ページ)
■6月28日
予が法門は四悉檀を心に懸けて申すならば強ちに成仏の理に違わざれば且らく世間普通の義を用ゆべきか
太田左衛門尉御返事(1015ページ)
■6月29日
法華経流布の国に生れて此の経の題名を聞き信を生ずるは宿善の深厚なるに依れり
守護国家論(70ページ)
■6月30日
万民一同に南無妙法蓮華経と唱え奉らば吹く風枝をならさず雨壌を砕かず、代は羲農の世となりて今生には不祥の災難を払ひ長生の術を得、人法共に不老不死の理顕れん時を各各御覧ぜよ現世安穏の証文疑い有る可からざる者なり
如説修行抄(502ページ)