■5月1日

法は必ず国をかんが()みて弘むべし、彼の国によかりし法なれば必ず此の国にもよかるべしとは思うべからず

南条兵衛七郎殿御書(1496ページ)

■5月2日

浅は易く深は難しとは釈迦の所判(しょはん)なり浅を去て深に就くは丈夫の心なり

撰時抄(271ページ)

■5月3日

石を金にかうる国もあり・土をこめ()にうるところもあり、千金の金をもてる者もうえ()()ぬ、一飯をつと()につつめる者に・これをと()れり

上野殿御返事(1579ページ)

■5月4日

日蓮は日本国の諸人にしうし(主師)父母()なり

開目抄(237ページ)

■5月5日

先ず五節供の次第を案ずるに妙法蓮華教の五字の次第の祭なり――五月五日は蓮の一字のまつりなり――此くの如く心得て南無妙法蓮華経と唱へさせ給へ現世安穏(あんのん)後生善処(ごしょうぜんしょ)疑なかるべし

秋元殿御返事(1070ページ)

■5月6日

六道四生の衆生に男女あり此の男女は皆我等が先生の父母なり、一人ももれ()ば仏になるべからず故に二乗をば不知恩の者と定めて永不成仏(ようふじょうぶつ)と説かせ給う孝養の心あまねからざる故なり

法蓮抄(1046ページ)

■5月7日

明かなる事・日月にすぎんや浄き事・蓮華にまさるべきや、法華経は日月と蓮華となり故に妙法蓮華経と名く、日蓮又日月と蓮華との如くなり

四条金吾女房御書(1109ページ)

■5月8日

法華経の敵を見ながら置いてせめずんば師檀ともに無間獄は疑いなかるべし

曾谷殿御返事(1056ページ)

■5月9日

一切の物にわたりて名の大切なるなり、さてこそ天台大師・五重玄義の初めに名玄義と釈し給へり。日蓮となのる事自解仏乗(じげぶつじょう)とも云いつべし――経に云く「日月の光明の能く(もろもろ)幽冥(ゆうみょう)を除くが如く()の人世間に行じて能く衆生の闇を減す」と此の文の心よくよく案じさせ給へ

寂日坊御書(903ページ)

■5月10日

涅槃経に云く「菩薩(ぼさつ)悪象(あくぞう)等に於ては心に恐怖(くふ)すること無かれ悪知識に於ては怖畏(ふい)の心を生ぜよ・悪象(あくぞう)の為に殺されては三(しゅ)に至らず悪友の為に殺されては必ず三趣(さんしゅ)に至る」

立正安国論(21ページ)

■5月11日

願くは我を(そん)ずる国主等をば最初に之を導かん、我を(たす)くる弟子等をば釈尊に之を申さん、我を生める父母には未だ死せざる已前(いぜん)に大善を進めん

顕仏未来記(509ページ)

■5月12日

(いぬ)る弘長元年太歳辛酉五月十二日に御勘気を(こうむ)つて・伊豆の国・伊東の(ごう)と云う処に流罪せられたりき

一谷入道御書(1326ページ)

御難 伊豆御配流 弘長元年

■5月13日

何としても此の経の心をしれる僧に近づき(いよいよ)法の道理を聴聞して信心の歩を運ぶべし

新池御書(1440ページ)

■5月14日

日蓮は彼の不軽菩薩に以たり――日蓮と不軽菩薩とは位の上下はあれども同業なれば彼の不軽菩薩成仏し給はば日蓮が仏果疑うべきや

呵責謗法滅罪抄(1129ページ)

■5月15日

滅後を以て之を論ずれば正法一千年像法一千年は傍なり、末法を以て正と為す末法の中には中には日蓮を以て正と為すなり

法華取要抄(333ページ)

■5月16日

我等が居住して一乗を修行せんの処は何れの処にても候へ常寂光の都()るべし

最蓮坊御返事(1343ページ)

■5月17日

賢人の習い三度(みたび)国をいさむるに用いずば山林にまじわれと・いうことは定まるれい()なり

報恩抄(323ページ)

■5月18日

種熟脱の法門・法華経の肝心なり、三世十方の仏は必ず妙法蓮華経の五字を種として仏になり給へり

秋元御書(1072ページ)

■5月19日

日蓮が法華経の知解は天台・伝教には千万が一分も及ぶ事なけれども難を忍び慈悲のすぐれたる事は・をそれをも・いだきぬべし

開目抄(202ページ)

■5月20日

此の五字の大曼荼羅(まんだら)を身に帯し心に存せば諸王は国を(たす)け万民は難をのがれん、乃至後生の大火炎を(のが)るべしと仏・記しをかせ給いぬ

新尼御前御返事(906ページ)

■5月21日

帝王は国家を(もとい)として天下を治め人臣は田園を(りょう)して世上を保つ、而るに他方の賊来つて其の国を侵逼(しんぴつ)し自界叛逆(ほんぎゃく)して其の地を掠領(りゃくりょう)せば(あに)驚かざらんや豈(さわ)がざらんや、国を失い家を(めつ)せば(いず)れの所にか世を(のが)れん汝(すべから)く一身の安堵(あんど)を思わば先ず四表の静謐(せいひつ)(いの)らん者か

立正安国論(31ページ)

■5月22日

若し日蓮地涌の菩薩の数に入らば()に日蓮が弟子檀那・地涌の流類に非ずや

諸法実相抄(1359ページ)

■5月23日

すでに年五十に及びぬ余命いくばくならず、いたづらに曠野(こうや)にすてん身を同じくは一身法華のかた()になげて雪山童子・薬王菩薩の(あと)をおひ仙予(せんよ)有徳(うとく)の名を後代に留めて法華・涅槃(ねはん)経に説き入れられまいらせんと願うところなり

金吾殿御返事(999ページ)

■5月24日

在家の者には但一向に南無妙法蓮華経ととな()へさすべし、名は必ず体にいたる徳あり

十章抄(1274ページ)

■5月25日

所詮妙法蓮華の当体とは法華経を信ずる日蓮が弟子檀那(だんな)等の父母所生の肉身是なり

当体義抄(512ページ)

■5月26日

仁王経に云く――四方の賊来つて国を(おか)し内外の賊起り、火賊・水賊・風賊・鬼賊ありて・百姓荒乱(こうらん)し・刀兵(とうひょう)(こう)起らん・是くの如く()する時を七の難と為すなり

立正安国論(20ページ)

■5月27日

生死の大海を渡らんことは妙法蓮華経の船にあらずんば・かなふべからず――如度得船(にょととくせん)の船とは申すなり、是にのるべき者は日蓮が弟子檀那等なり

椎地四郎殿御書(1448ページ)

■5月28日

但し法門をもて邪正をただすべし利根と通力とにはよるべからず

唱法華題目抄(16ページ)

■5月29日

(それがし)愚癡(ぐち)の凡夫・血肉の身なり三惑一分も断ぜず只法華経の故に罵詈(めり)毀謗(きぼう)せられて刀杖を加えられ流罪せられたるを以て大聖の(ひじ)を焼き(ずい)をくだき・頭をはねられたるに・なぞ()らへんと思ふ

四恩抄(938ページ)

■5月30日

今生の父母は我を生みて法華経を信ずる身となせり、梵天・帝釈・四大天王・転輪聖王(てんりんじょうおう)の家に生まれて三界・四天をゆづられて人天・四衆に恭敬(くぎょう)せられんよりも恩重きは今の某が父母なるか

四恩抄(937ページ)

■5月31日

南無妙法蓮華経と一切衆生にすすめたる人一人もなし、此の徳はたれか一天に眼を合せ四海に肩をならぶべきや

撰時抄(266ページ)