館主緒言
- 本図書館の扉は、下々の者にも等しく開かれている。目録にある本は貸してやるので、ありがたく読むがよい。
- 本図書館の蔵書は、余及び余の朋輩・郎党が読み「面白い」と思った本に限る。話題の本や一過性のベストセラー、どうでもよいタレント本は置かぬ。そんな本が読みたければ、ほかの図書館に行け。
- 新聞や雑誌も置かぬ。文句を言うな。
- 人気のある本も、冊数は増やさぬ。順番に貸し出すので気長に待つがよい。
- レファレンスはせぬが、貴様らが望むなら蘊蓄を聞かせてやってもよい。
- 所蔵図書に大した値打ちはない。盗み出して売り払い、儲けようなどとは思うな。盗難防止システムは備えておる。
- 延滞、紛失、ページの切り取り、落書き等の不埒な行為をなしたる輩は、発見次第召し捕り、館内引き回しの上出入り差し止めとする。梟首獄門にしないだけ有り難いと思え。
- 貴様らが読んで「面白い」と思った本を差し出せば、検討の上召し上げ、本図書館の蔵書に加えてやらぬでもない。
- 貸し出し履歴をはじめとする貴様らの個人情報は、余の一命にかけて守ってやるから安心するがよい。
以上、心して利用せよ。
殿さま図書館 館長 山中 豊玉守 康正